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「い、い、稲本!面白すぎるが・・・さすがにソレはマズい!お前の気合いは充分伝わった!だからやめてくれ!頼む!」
ブラフではなく、本気で葉っぱ1枚で配達に出ていこうとするオレを必死に止める副店長。
確実に客からクレームが来ると思ったのだろう。
だが今宵のオレはそんな事では止まらない。
「大丈夫っすよ!ちゃんと途中で取れないようにセロテープで葉っぱ貼りつけましたから!」
「止めた理由はソコじゃねえよ!」
ごもっとも。
「客からどころか途中で警察にも止められるじゃねえか!色々面倒になんだろ!」
「だから大丈夫ですって!アチコチに逃走用の小道知ってますから!」
「どのみちバイクでウチのピザ屋ってバレるじゃねえか!」
ごもっとも。
だが、オレの行動を本気で止めるのは副店長のみ。
前田さんや秦野さんを筆頭に、みんなが呼吸困難になるまで笑い転げていた。
「行ってきやす!!」
結局、芸人で言うトコロのオイシイ思いがオレを支配して、葉っぱ1枚で配達に出る。
「ちょ!オイ!待て稲本コラ!」
副店長の悲痛な声を背に、メロス・・・
いや、エロスは走り出した。
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