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(バイクでだけど・・・)
エロスは走った。
ほとんど隠す役割を果たしていない小さな葉っぱ1枚を身にまといながら。
想像していた以上に、肌を針のように突き刺す極寒の風が浴びせられる。
想像以上にキツい・・・
何がキツいって、通行人や車の視線より、この凍死しそうな寒さの方がよっぽどキツい
警察に見られたら長引くわ面倒だわ、ここはオール信号無視とドリフト走行で行くしかない
どのみち道交法守っても捕まるレベルだしな
そうと決まれば!
オレは高確率で二度見される車を尻目に、アクセルを全開にした。
そして運良く警察に見付かる事もなく、客の家に到着する。
何も知らずに出てきた客(男性)は、それはもうコッチが可笑しくなるぐらいうろたえていた。
三度見ところか四度見ぐらいされる。
『え?・・・え!?どう見直しても葉っぱ1枚に見えるけど・・・俺の目がおかしいのか?そうだよな、うん・・・葉っぱ1枚のハズが・・・葉っぱ・・・1枚だよな』
的な顔で。
なのでオレは、してやったり顔やドヤ顔もせず、淡々と普通の顔で業務をこなした。
客は家のドアが閉まる最後まで信じられなかっただろう。
あの時のお客さん
非常識でホントすんませんでした
もし読者の中で、葉っぱ1枚でピザを配達された経験をお持ちの方がいたら・・・
それはきっとオレでしょう
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