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そんなやり取りをしていると、前田さんが愛車マスタングに乗って現れた。
「おう!遅くなってわりぃな!取り合えず乗れや」
ちなみに今回オレは行かない。
実はこのすぐ後ピザ屋のバイトがあるからだ。
よって、リオと前田さんだけがコンビニに行く事となる。
「おおぉお久し久しぶりりです!こここ小妻と言います!!」
前田さんを見た瞬間に、緊張という言葉すら当てはまらない程ガチガチになっているリオ(笑)
気持ちはよく分かる
前田さんって知らなきゃ本当に怖いもん・・・
「失礼します!」
リオは普段オレには見せない礼儀正しさで、前田さんの車に乗り込んだ。
「あれ?稲ぴょん乗らないんすか?」
外から車の窓ごしに、にこやかに手を振るオレを見て怪訝そうな顔をする。
「だってオレこれからバイトだもん」
その瞬間リオの表情が絶望一色のような顔になった・・・
リオは前田さんとは初対面ではないが、まともに会話した事はほとんどない。
きっと虎の檻に1人で閉じ込められた気分になったのだろう。
そしてそんなリオの顔を見ながら大爆笑する鬼畜なオレ。
市場に売られていくような表情のリオを乗せて、前田さんのマスタングは行ってしまった。
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