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ハジメをハメてやりたい、と言う願望だけで地元から少し離れた海までプチ遠出してきたが・・・
今は冬のド真ん中。
そして夜風が鼻水すら凍り付きそうな冷たさ。
オレも激しく後悔した。
当然海に着いても目の保養になる水着ギャルがいるワケでもなければ、楽しそうな事もない。
近くの自販機だけが煌々と闇夜を照らしていた。
だが一度ハジメを後悔させると決めた以上、ここでヘタれるワケにはいかない。
朝までハジメを軟禁するつもりだ。
「稲本・・・もう帰ろうや」
最初はヤられた感満載だけだったハジメも・・・
「頼む!帰ろ!寒すぎる!てか帰ってヌきたいんだ俺は!ここでブッかけるぞこの野郎!」
しばらくする頃には、悲壮感溢れさせながら哀願してきた。
当然オレも凍えていた。
帰る気はないが、さすがに寒すぎるので温かい缶コーヒーを買う。
だがすぐに冷えきってしまうので、オレとハジメはいつしか・・・
単車のマフラーから排出される排気ガスで暖を取っていた。
当然、寒さはあまり軽減されなかった(笑)
と言うか、ナゼ若い時は意味のない事にこんなにも体を張っていたのだろうか・・・
理解に苦しむ。
オレがやった事だけど(笑)
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