『怪物‐MONSTER‐からヒトへ・・・』‐ゼロ‐

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「ちょ!・・・そのデカイ段ボールはオレんだぞ!」 「俺が見付けたんですぅ!じゃあそのプチプチと交換してくれよ!」 「バカ野郎!プチプチはかなりレアなんだっつうの!自分で探せ!」 「プチプチどっかにねえかなぁ」 日も暮れる頃、この遠い異国の地でオレ達は本気で段ボールを奪い合っていた。 ここまで来て一体何をやっているんだろうか? この日を境に旅行は事前にちゃんと計画しないといけない事を学んだ。 ・・・まぁ、今後も無計画ですがね。 「うぉ~い!あっちのドラッグストアの裏の物置みたいなトコに、いっぱい段ボールありそうだぞ」 ジンの声と共にオレ達は瞬時にハンターの目付きになる。 もうすぐ完全に夜が来てしまう。 夜はまだまだ肌寒い3月の環境を乗りきるには、何としても大量の段ボールとプチプチが必要だ。 そのためには悠長に落ちてるのを拾ったり、店員に断ってからもらってたんじゃ話にならない。 ここはいっちょ腹をくくって、ガッツリ店の物置などから業務用の品物が入っていた段ボールを盗む・・・ いや、黙って借りてくるしかない!
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