『怪物‐MONSTER‐からヒトへ・・・』‐ゼロ‐

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だがそんな3人に奇跡が起きた。 特に考えも無しに入った十数軒目の旅館での事だ。 「あの~・・・予約とか入れてないんですけど、今日いきなり泊まる事ってできます?」 すると従業員は事も無げに答えた。 「・・・分かりました、いいですよ。ちょっと待ってて下さい」 「やっぱりダメですよね・・・ ・・・って、いいの!?」 逆にオレ達が驚いた。 当然オレ達は段ボールを抱えたコ汚い風貌である。 しかもラブホなどではなく、名前は忘れたがちゃんとしたナントカ荘という旅館だ。 しばらくすると受け付けの従業員の上司みたいなオッサンがやってきた。 オッサンは恐縮そうにオレ達の受け答えをする。 今から泊まるのはOKだが、夕食と朝食は付けられないとの事。 値段も食事分を下げる事はできないがそれでも良ければ?という条件だった。 それでもオレ達からしてみれば破格の条件だ。 このオッサンは中々話好きの性格なのか旅館がヒマなのか、結構話に付き合ってくれた。 特別に飛び込みOKだった理由も、今現在の時点で宿泊客がかなり少ないというのもあったらしい。 たしかに外観も古びていて、お世辞にもあまり繁盛しているような旅館にも見えなかった。
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