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入学式の時は敵対心が感じられた赤髪だったが、外見に似合わず可愛い声と腰の低さとのギャップに、オレは多少驚いた。
「あ、あぁ、いいんじゃない?灰皿あるし」
知らない土地で1人という寂しさもあったのか、普段だったら知らない人間にはそっけない態度を取りそうなオレも、何となく友好的に答えた。
「いやぁ、俺まだ17才だから学校からうるさく言われねえかなぁとかさ」
あ、そういう事ね
「お、タメじゃん。高校と違って特に何も言わねえだろ」
「タメかぁ、俺はタカシ。よろしくな」
そう言うとタカシと名乗った赤髪は、わざわざ握手を求めてきた。
外見に反していいヤツそうだ。
断る理由もないオレは、素直に握手を交わす。
その時、元気よく喫煙所に飛び込んできた男がさらに1人。
オレとタカシに話しかけてきた。
「おー!マジかよ!学校でタバコ吸えるのか!?」
その男は『爽やか』という言葉がピッタリ当てはまるような、ジャニーズ顔のイケメンだった。
オレは後にも先にも出会ってきた人間で、この男が一番男前だと思う。
「俺、今年高校出たばっかのコウタロウ!仲良くやろうぜぇ!」
全く人見知りしないかのようなコウタロウはオレ達にニカッと笑いかけた。
どうやらいきなり孤立する心配はなさそうである(笑)
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