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長く居る重鎮ドライバー逹も、店長にはめったに逆らわなかった。
店長が黒と言えば白も黒になる・・・
仮に嵐の中、他県に配達してこいと言われれば、笑顔で行かなければならないだろう・・・
ライバル店のピザ屋を潰してこいと言われれば、負ければ死刑ぐらいの気分で特攻しなければならないだろう・・・
ウチのピザ屋はそんな店舗だ。
店長に案内されるがままにバックヤードと呼ばれる奥の休憩所に通されると、バス停にあるようなベンチが3つ、真ん中にあるテーブルを囲んでコの字型に並べられていた。
その脇には駅とかにある大型の灰皿が設置されている。
元々8畳程の倉庫としての間取りだったのだろう。
窓がない代わりに換気扇が回っていた。
そして休憩中なのかこれから仕事に入るのか、何人かのドライバーがテーブルを囲んでタバコを片手に談笑している。
当然休憩室は換気扇がひとつしかないので、非合法な取引がされてる場末のクラブのように部屋の中が煙りがかっていた。
オレが入った途端、談笑の声が止み全員からの視線を感じる。
オイオイ・・・
どの口がココは族の溜まり場じゃねえとかヌカしやがったんだ?
それ以上じゃねえか
本当にこの人逹ピザのドライバーか?
絶対違うモン配達してるって・・・
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