9289人が本棚に入れています
本棚に追加
『オイオイ、新人がまたやってきたぜ』
『今度は続くんだろうな?』
『ミスした新人をお前が眼球飛び出すまで殴り倒すから辞めてくんだろうが?』
『お前だってこの前、背骨見えるまで単車で引きずり回してたじゃねえか』
『あひゃひゃひゃ!じゃあ今度はミスしてもピザオーブンにブチ込んで流すぐらいで勘弁してやろうぜ?』
そんな会話をしていてもおかしくないような連中の前に立って、オレは挨拶をした。
何を言ったかまるで覚えてない。
そんな中、店長はツカツカとゼンちゃんの前まで近付くと、いきなり頭をハリ倒した。
「前田ぁ!仕事中はタトゥー見えないように長袖着ろっつってんだろうが!」
ハリ倒されたゼンちゃんは頭を押さえながら食ってかかる。
「まだ始まってねえからいいだろうが!」
一気に場の雰囲気が、バキと勇次郎が対峙した時のように歪み始めた。
帰りたくて帰りたくて仕方がないオレは、倉庫にあった棚と同化して空気と化している。
キルアを凌ぐ程の見事なまでのゼツ状態だ。
最初の出会いはこんなだったが、このタトゥーが入ったゼンちゃんみたいな男こそが・・・
番外編『元怪物VS伝説の怪物』の章に登場してくる前田さんであった。
最初のコメントを投稿しよう!