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「・・・!?」
オレは無言のまま何の前触れもなく、山口さんの首を右手でワシ掴みにした。
そして全握力を一気に解放する。
「・・・か!?・・・は!」
呼吸を突然止められた山口さんは、声にならない声を上げた。
「テメェ・・・先輩だからって調子に乗んなよ?」
オレは首を絞め上げると同時に、軽く円を描くように力を込め・・・
横にあった業務用の大きい冷蔵庫に、そのまま山口さんの後頭部から思いっきり叩き付けた。
中学編でも少し触れたが、最小限の力で最大限に相手の体勢を崩す方法の応用である。
「・・・かはっ!」
山口さんの口から、肺に溜まった酸素がかすれたように吐き出された。
『やっちまった・・・』
後々の面倒さが頭に浮かび、少なからず後悔の念はあった。
だがここまで来てしまえば当然オレも自分を止める事はできない。
オレは右手で山口さんの首を掴んだまま体を密着させるように踏み込むと左ボディブローを叩き込んだ。
そして超至近距離だったため、力が完全に入らない手打ちではあったが・・・
止まる事なく顔面にも数発左拳を叩き込む。
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