新天地

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高校卒業する頃にはピザ屋ではそれなりに周囲に馴染み、前田さんにもよく遊びに連れていってもらうようになっていた。 オレが原付から単車の魅力にドップリハマり始めた頃でもある。 免許はまだ持っていなかったが・・・ そして専門入学と同時にファーストフードのバイトの方でも変化が表れ始めていた。 「稲本ぉ!今度お前と同じ作製メインのバイトを1人雇ったからさ。まぁ、うまく教えてやってくれよ」 店長に呼び出されたオレは、新しいバイトが入る旨を告げられた。 「マジっすか!?男すか?女すか?何歳ぐらいっすか?どんなヤツっすか!?」 「いいから少し落ち着け」 ファーストフードでも長い事一番年下で下っ端だったオレは、年齢こそ分からないがついに後輩ができるという事に、喜びを露にした。 確かに一番年下と言う事で、色んな人から可愛がってもらってはいたがやっぱり気兼ねしないバイト仲間も欲しい。 「まぁその事なんだけどよ・・・」 だがこの新しく入ってくるバイトによって、また新たな展開を見せるようになるとは、この時オレはまだ知らなかった・・・
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