中学からの刺客

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さらに言えば初対面は決して印象のいいヤツではなかった。 バイトに来てるにも関わらず、小妻はゴツいネックレスやら指輪やらをジャラジャラと着けている。 どっちみち外す事になるハズなのに、小妻は制服に着替えてもアクセサリー類を外さなかった。 しかもゴツいネックレスに至っては、わざわざ制服の中ではなく上に出してきやがった。 まぁ、これぐらいはまだ社会の常識を全然知らないトシだから、と言う事で片付く。 単純にこれから常識を教えていけばいいのだから・・・ ただ常識がないだけ、と分かっていながらも、どうしても口調が気に入らなかった。 先程の自己紹介も 『小妻っす』 のひとことだけである。 仮にも新人の立場でありながら『よろしく』すらない。 特に話し方が何より気に入らなかった。 身長がオレよりひとまわり高いから仕方のない事ではあるが、ワザとらしく人を見下ろすような視線でダルそうに話すのである。 確かにこのトシは妙にワルぶりたいトシでもあるから気持ちは分からないでもないが、オレも受け流しながら笑って常識を教えていける程、できた人間でもない。
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