中学からの刺客

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小妻がバイトに入ってきて何日かしてから、オレはミヤビと話す機会があったので、中学の時の小妻の事を聞いてみた。 この頃になるとオレも連日フラフラ出歩いて家に帰る事が激減していたし、ミヤビに至っては行方不明かと思うぐらい帰ってこない事も多い。 なのでたまたま顔を合わせた時に、ここぞとばかりに色々聞いた。 「ウチのバイトにさ、ミヤビの事を知ってる小妻ってヤツが入ってきたんだけどさ、知ってる?どんなヤツよ」 オレはミヤビが小妻に告っただ何だの話には、取り合えず触れなかった。 「小妻かぁ・・・」 すると性格はポジティブのイケイケ、高校入ってからはやりたい放題だったミヤビが、珍しく渋い表情をする。 「う~ん・・・兄ちゃん・・・あんまり小妻には関わらない方がいいかもよ?」 天上天下唯我独尊を地で行くミヤビにしては、表情だけでなく返ってくる言葉まで珍しい。 何・・・だと? オレはミヤビがつるんでる男友達や先輩とかにも流れで何人か会った事があるが、総じてガラの悪い社会不適合者予備軍そのものだった。 そしてミヤビは、何か気に入らなければソイツらにも平気で手を上げる。 そのミヤビが難色を示した・・・だと? 一体小妻にはどんな謎があるんだ?
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