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「な、なな何よぉ………」
俺のため息に、ビビりながら上目遣いで見てくる。
……………。
特に、なんとも思わないけど。
「そんな顔されても、どうしようもないんだけど……」
「うぅ………」
凹んだように、視線を落とす。
「そんなことで、俺が折れるとでも思ったんですか??」
「は、はい」
「単純馬鹿ですね」
おっと、いけない………。
思わず、ポロリと言ってしまった。
いつもの癖で、辛辣な言葉を吐いてしまう。
横をちらりと見ると、叱られた子供みたいに下唇を噛み締めている。
…………、やりすぎた。
どうしようもないほど、空気が重くなる。
こういうときの対処法を、俺は知らない。
「あぁ~、棗くんは厳しいな」
ケロッとしたように、俺の方を向く。
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