危険屋

憂鬱な接触

危険屋のホームでの話し合いでルキから逃げるために意味も無く外へ出てきてしまったシド。

正直何もする事は無くて、街の大通りをヒマそうに歩いていた。

「どっかで昼飯でも食ってくるかな…あ、金が無い」

シドはこのような意味の無い独り言を飲食店の前を通る度に言っていた。

街は賑わっていてもおかしくない時間帯なのだが、いつもより遥かに人通りが少なくてむなしかった。
通り魔の事もあってあまり外へ出たくないのだろうが、それにしても昼頃だといいのにあまりに少な過ぎる。

ふとシドは街の中央にある時計台に目をやった。

「まだ三時かぁ…ｕｄ出んのはいつも九時からだってのは知らんでも…夜しか出ないって事ぐらい分かるよな」

あまりに静か過ぎる街の様子に対してシドは大きな不審というものを抱いていた。

暫く考えていると上から男性の低い声がした。

「おーい！そんなとこ歩いていたら危ないぞー」

「ん？」

声が聴こえたのはシドが歩いていた通りの横にある建物の三階の一室かららしく、小太りの男性が此方を見ていた。

「この辺りで何かあったのかー？」

事情が知りたかったのでその場で上にいる小太りな男性に声をかける。