憂鬱な接触

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「知らないのかい!?例の通り魔が今朝方に人を殺したんだよ!」 「!!」 シドの目が驚きによって瞳孔が開き、一瞬言葉を失った。 「今まで夜しか動かなかった奴がなんでこんな時間に…」 シドは上の男性へ質問をしていた事を忘れていて、悩み込んでしまった。 「兎に角外は危険だから家から出ない方がいいぞー、坊や!」 そう言い残し、男性は窓を閉めた。 「………」 シドは考えるのが苦手な方なのだが、何とか耐えて、黙って考え込んでみた。 その結果は… 「危ないって言われて引き下がっちまったら危険屋やってる意味ねえじゃねえか」 シドの瞳には強く固い意思が秘められていた。 男性の忠告は寧ろ危険屋であるシドに火をつけてしまったらしい。 「よし!そうと決まれば事件の起こった場所にでも行ってみるか!」 自分に気合いを入れるように大声を出していた。 その様子を、路地裏から黒いロングコートを着た者がじっと見つめていた。 その瞳は殺意そのものを直に秘めているものだった。
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