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翌日の朝―――
とある三階建てのアパート。その二階の一室の窓枠に座っている、とがった茶髪と黒色の瞳を持った十五歳くらいの小柄な少年は、朝っぱらから深く重たい溜め息をついていた。
「あ~ぁ…また逃がしちまったじゃねえかよ」
空を眺めながら悪態をついている少年の名前は【シド=ハイネス】。
そしてシドが悪態をついている相手は、同じ部屋の中で椅子に座りながら新聞を読んでいる金髪の少年。
「何を僕が逃がしたみたいに言っているんですか?シドが逃がしたんですよ」
表情一つ変えずに未だに新聞に目をやっている少年の名前は【スクリュー=ネイビス】。
「お前も近くにいたんだから同罪だろうが!!」
シドが前に身を乗り出しながらスクリューに向かって怒鳴った。
気が短いので速攻キレた。
「僕はあくまでもサポートです。依頼は危険屋であるシドの仕事なんですから僕にあたるのはお角違いもいいところですよ」
ここで話に出てきた【危険屋】というのは…
危険な状況に陥った時に、その危険を代わりに請け負う仕事。
それが【危険屋】だ。
シドはその危険屋のリーダーなのだ。
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