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「それは置いておいて…本題に移ります」
「好きにしやがれ」
シドがすねました。
「まず今回の依頼の内容からですね。依頼は最近この街で多発している通り魔の捕獲…通り魔の通称はunfeeling darkのイニシャルを取った【ud】。意味は【無情の闇】です。活動時間は午後九時から午前三時までの間、街を徘徊しており、身長は二メートル程度と長身、恰好は黒のロングコートにフードで顔を隠しています。故にudの正体を知る者は誰一人としていません」
スクリューが話し終わると鍵沼が口を開く。
「被害者はどの程度出ているんだ?」
「今のところ合計は十三人です。被害者に共通点は全く無く、老人、若い男女、子供に至るまで本当に無差別に殺人が行われています」
「んじゃあ、捕まえるにはやっぱりおとりがいるよな~。なぁルキ」
シドが嫌な笑みを浮かべながらルキを見た。
「でも誰でも狙ってくるって事はおとりは誰でもオッケーなんだよね!?」
このままではおとりにされかねない、という危機感を感じたルキが助けを乞うように言った。
「いえ、それがそうもいかないんですよ」
ルキの淡い希望が虚しく砕けて散っていった。
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