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「え?なんで?」
昨日の夜中、一人暑さと奮闘した俺は、朝食を済まし身仕度を終えた後荷物を持ち、自転車を取りに行った。
そして見てしまった。
昨日まで自転車があったであろう場所に、サドルだけ置かれている光景を…
「は…ははは…なんでだよ!どうせなら跡形もなく消せよ!これ被害届け出したら間違いなく笑われるだろっ!」
と愚痴を吐きつつ学校へ向かった。
龍我は今高校一年生の16歳。彼女いない歴=年齢の、どこにでもいる普通の高校生だ。しかし、龍我はモテないわけではなかった。何度か告白などはされたが、全て断ってきていた。それは異性に興味がなかったからだ。いや、同性が好きとかじゃないよ?ただ彼女とかめんどくせ~みたいな、めんどくさがり屋なだけである。
かと言ってカッコイイわけでもない。クラスで順位を付けるなら、5番か6番くらいとゆう、微妙な立ち位置だ。
しかし今彼は好意を寄せている人がいた。
それは…
?「あれ~龍我じゃん」
一人の男が後から龍我に声をかけた。
?「龍我何で今日歩きなんだ?」
「いや~自転車盗られた。」
彼の名前は、正岡俊也。幼稚園の時からの付き合いで、家も近所の、幼なじみだ。ちなみにコイツが多分クラスで1番カッコイイ。
?「まじか~今どきひでぇ奴がいるもんだな。ま俺先行ってくらぁ。」
と男は龍我を置いて先に学校に向かった。
サドルのない自転車に乗って。
…
「ちょっと待てやグラァァァァ!」
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