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ドスンと尻もちをついた先は、見たこともない世界だった。
(俺は確か…政務を投げ出して…Ah~…小十郎に見つかったから井戸の陰に隠れたんだっけか?)
その後、井戸の石が崩れてそのまま落ちたことを思い出す。
(mu…しかし此処はどこだ)
見る限り部屋のようだが、妙に明るいし、見たことのないものばかりが並んでいる。
『ぶざけんなよ!!』
この場所の外から聞こえる男の声
ガッ!
ドス!
壁に耳を付けると、何かを殴ったような音と倒れる音がした。
(壁の向こうで何がおきてやがるんだ?)
扉らしきものを見つけ開けようとするが、開け方がわからず、ドアのぶを握りしばし格闘する。
ようやく扉を開け一歩踏み出そうとした瞬間、目の前を何かが通り過ぎガシャンと音を立てて砕け落ちた。
飛んできた方向を見れば、壁に背を預け、息も絶え絶えな女がいた。
「誰?」
ひょっこり自室から顔を出した男を睨みつけながら問う。
「俺の名は伊達政宗。奥州筆頭伊達政宗だ。お前の名は?」
「…周 謡。…あんた健太郎のダチ?」
政宗「健太郎っつうのはさっきの声の男か?」
謡「健太郎のダチじゃないの?なら、どうして此処に………あれ?政宗とか言った?」
政宗「YES」
謡「…あの、つかぬ事を聞きますが、この家にはどうやって入ったんですかね?」
政宗「…井戸に落ちて、気付いたらさっきの部屋?にいた。あそこ周の部屋か?」
返事はなく、口をパクパクしている。
政宗「おい、周?」
返事がない。ただの屍のようだ
謡「誰が屍じゃああぁぁぁ!死んでねぇぇ!!!」
政宗「うるせえヤツだな!!」
謡「奥州筆頭伊達政宗…」
政宗「あ?」
謡「BASARA技使えちゃったりしちゃいます?」
政宗「あぁ」
謡「好敵手は、甲斐のお館様命な真田幸村だったりします?」
政宗「お前、なんで知って…」
謡「小十郎にネギか牛蒡でお仕置きされたりとか」
政宗「それはねー。鍬持って追いかけられたことはあるが」
謡「あるんかい!!」
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