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「もぅっ!あきぃ!!」 私は手を挙げ叫びながら、逃げるあきを追いかけた。 そんな私たちを見て遥は笑い、七未は溜め息をつく。 「あははっ!朝から元気だねっ♪」 「あきは元気過ぎて困るけど…。」 何時までも追いかけっこをする私たちを止めたのはチャイムの音だった。 キーン コーン 「やべっ!遅刻しちまうっ!!」 カーン コーン 「走れぇえ!!……って!遥と七未は!?」 キーン コーン 走りながら後ろ、左右、前を見るも、二人の姿はない。 でも今はそんな事に構っていられない! 私たちは一気に階段を上り、教室のドアを開けた。 カー「「セェェエエブフッ!!?」」 セーフと言おうとしたが、最後まで言える事はできなかった。 それは二人して同じタイミングでドアを開けた瞬間、右半身に強烈な痛みが走ったからだ。 どうやらあきもだったようで、隣からは痛そうな声が聞こえる。 「ッてぇー!!なんで真由そっちから入んのさ!!」 「何でって…あきこそ何で反対から入ろうとすんのよっ!」 「左利きなんだから仕方ないだろ!!」 そう、学校のドアはスライド式で、左右どちからでも入れるもので、私たちは一つのドアから二人それぞれ左右から入ろうとしたのだ。 利き手が二人違うにしても、こんな事漫画でしか見たことがない。 いや、漫画でもそうそうないか…。 私は涙目になりながらあきに抗議をしようとしたが、私たちはある重大な事を忘れていた。 「お前らなぁ………早く席に着け!!なにがセーフだ!二人とも遅刻だ!!!!」 担任の浜田だ。 見た目中年親父で中身は怒りっぽいという、マダオって感じ。(マジで黙れオヤジ) そんな奴が担任になってしまった私は本当に運がないのだろう。 とにかく、怒られた私たちはしょんぼりしながらズキズキする右半身を庇い、席に着いた。  
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