二人の国

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朝。 窓の外から、光りが差し込んで少女の顔を照らし出した。 「ん……?」 少女はゆっくりと目を開け起き上がる。 「そっか、夢じゃなかったのかぁ」 目の前には昨日も見た、白い壁。本当は夢なんじゃないかと思っていた心が打ち砕かれた。 「…………お父様、お母様」 不意に二人の事を思い出して、涙が出そうになる。 少女は泣かないようにと、天井を見上げた。 [コンコン] すると、ドアを誰かがノックする音が聞こえる。 「誰ですか?」 少女がそう言うとドアが開き、昨日の医者が顔を出した。 「やぁ、目覚めはどうだい??」 優しそうに目を細めて言う。 「大丈夫です」 「そう、それは良かったね。でも少し検査させてね?」 「はい」 少女が了解すると医者は近づき、まず少女の胸に心臓の音を聞く機械をくっつける。 「そういえば、私についてた管みたいなのは?」 「あれは昨日、君が寝ている間に全部外しておいたんだ。あれは、栄養を体に送るためのものだから、目が覚めてご飯を食べれる君には必要ないだろう?」 少女の問いに、丁寧に答えてくれる。 「でも、事故の次の日には起きたんだから最初から要らなかったと思うなぁ」 「いや、君は一週間ぐらい寝たままだったんだよ?」 「え…………」 まさか自分がそんなに寝ていたとは思わなかったのか、驚いた表情になる。 「まぁでも、一度目が覚めれば大丈夫だよ」 診察を終えたのか、持ってきた道具をしまいながら言った。
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