二人の国

5/13
前へ
/13ページ
次へ
「んっ……?」 次に少女が目を覚ました時には、目の前には白い天井があった。 「え……なんで?ピクニックに行ってた……のに」 不思議に思い、体を起こす。 その時に頭に痛みが走った。 「えっ!?いっ痛い……」 手で触れてみると、何かが巻かれている。 そして、周りを見渡すと何やら色々な機会が置いてあり、何本かの管が自分へと伸びていた。 そして今初めて、自分がベッドに寝ていた事に気づく。 「なっなに……?いやっ!お母さん!お父さん?」 急に恐怖に襲われ、必死で周りを探すが、二人の姿は見当たらない。 壁も天井も白くて、まるで箱に入れられたみたいな気持ちになってくる。 「…………なんで……お母さん!!お父さん!?」 いない事が解ると、さらに大きな声で二人を呼ぶ。 すると、唯一ある扉がゆっくりと開いた。 「あっ!」 きっとどちらかが来てくれたのだと思って、笑顔になる。 「…………」 でも検討違いのようだ。 入ってきたのは、これまた白衣に見を包み、度のきつそうな眼鏡をかけたおじさんだった。 「だっ誰……?」 初めて会う人に恐怖を覚えたのか、布団をギュッと握りしめる。 「私は、医者だよ。もう大丈夫かい?痛い所は無いかい??」 医者と名乗るその男の人は、少女の緊張を和らげるために優しく笑った。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加