A-1.育つ憧憬

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
僕が大人になるという事実と 同じ距離で夢が見えていた頃 ビー玉越しに見えていた世界を なんの疑いもなく信じていた 変わりなく朝を知らせる太陽 変わったのは僕の見る目だけ 信じるものが見つからなくて 進むべき道を探している僕は 限られた可能性に 日常の重みを預けて 明日を歩こうとしてるんだ 一日が眠るのを見届ければ 虚しさが僕に話しかけてきた 大海を見た井の中の蛙は きっと同じ気持ちなんだろう くすぶっている下層ヒエラルキー 見下した上位層に気づいているかい? 取り戻せない時間を受け止めて 一日を始めていく僕は 幼い頃無駄にしたそれが 背を向けていたのを 恨めしげに見ているんだ 時間に言い訳は通用しない これから借りを返していくだけさ 巻き戻せない日々を蓄積して 現在と向き合っている僕らは 今の自分に責任を持って 明日を作っていくんだ 明日を歩こうとしてるんだ
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!