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久しぶりの学校だったが、正平の席が空になっていることを除けば何も変わりはなかったので安堵した。
開け放された窓から入り込んだ7月の風が優しく頬を撫でた。
仮病をつかってまで家に引きこもっている必要はなかったのかもしれないと思った。
教室内をゆっくりと見渡す。
黒板の見慣れた字。教科書を読みあげる声。
それを真剣に聞くマジメな前列の優等生。集中できずに空を眺めている窓際の席のやつ。
教壇に立って熱心に説明をする先生。
事件前と変わらない、いつも通りの授業風景だった。
俺を散々苦しめていた悩みは、杞憂だったのかもしれない。
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