怨念

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「これ、智基くんがクリアしたら貸してくれるって言ってたやつだよね?もう攻略できたの?」 ああ、と言って頷いた。 本当はまだプレイしていなかった。 「ありがとう!」 そう言って政也は目を輝かせている。 人の喜ぶ表情を見たのは久しぶりだった。 流行りのゲームソフト。 こんなのでよければいつでも貸してやるよ、そう言いたかった。 だから──俺を裏切らないでくれ。 喉まであがってきた言葉を必死に呑み込んだ。
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