沈黙

8/8
前へ
/120ページ
次へ
沙代子が完全に立ち去ったのを確認してから、机の上に置かれたノートとプリントを手に取った。 プリントには再来週に控えた夏休みの注意事項が書いてあった。 毎年、同じものをもらうので内容はわかっている。そのままゴミ箱へ投げ捨てた。 ノートを開いて適当にめくった。 さらさらと流れるようなきれいな字で先生の板書きを写してある。 ノートの分かりにくい位置に、一枚の便箋が挟んであった。 それに気づくと同時に滑り落ち、前後に揺れながら床へと着地した。 拾って読み上げる。 『大事な話があるから、学校に来い』
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加