怨念

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俺はずっと気がかりだった疑問を口にした。 「なあ、政也」 「どうしたの?」 「奈美ってさ、正平のこと好きだったのかな」 「奈美ちゃん?」 なんでそんなこと聞くの、と言いたげな顔で政也が不思議そうに俺を見つめた。 「わからないけど、急にどうしたの?」 「あのさ……」 俺は金曜の学校での出来事を政也に打ち明けた。 話が進むにつれ、段々と政也の顔色は暗くなっていき、説明を終えると黙り込んでしまった。 視線を絨毯に落して、ある一点だけを凝視しているようだった。
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