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政也の話はこうだった。
奈美は、正平のお母さんが亡くなってからも時々、正平の家に様子を見に行ってたらしい。
ある日、正平がイジメらてることを告白した。
奈美は、すぐに誰からやられてるのかと聞いた。
しかし、正平はそれ以上語らなかった。
それから何週間か経って正平は、もうイジメはなくなったから安心して、と奈美に伝えた。
奈美もそれを信じた。よかったね、と言った。
終わったことだからと、相手は聞かないままだった。
でも、それは嘘で、イジメは続いていた。
そして、正平は真実を言わないまま、自殺した。
政也は体の中に溜めてあった毒を吐き出すように、次から次へと理解しがたい新事実を語った。
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