怨念

7/14
前へ
/120ページ
次へ
政也の話はこうだった。 奈美は、正平のお母さんが亡くなってからも時々、正平の家に様子を見に行ってたらしい。 ある日、正平がイジメらてることを告白した。 奈美は、すぐに誰からやられてるのかと聞いた。 しかし、正平はそれ以上語らなかった。 それから何週間か経って正平は、もうイジメはなくなったから安心して、と奈美に伝えた。 奈美もそれを信じた。よかったね、と言った。 終わったことだからと、相手は聞かないままだった。 でも、それは嘘で、イジメは続いていた。 そして、正平は真実を言わないまま、自殺した。 政也は体の中に溜めてあった毒を吐き出すように、次から次へと理解しがたい新事実を語った。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加