怨念

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昼過ぎに政也の家を出た。 まだ帰宅するには早すぎる時間だった。 しかし他に行くところもなかった。あてもなく、町をさまよい歩いた。 やはりイジメは目撃されていなかった。 稔は自分に火の粉が降りかかるのを恐れて、俺を生贄に差し出した。 奈美は、もう俺のやったことに気付いている。 最初の靴箱のメモは奈美で間違いないだろう。 なら、他のもう一枚のメモを書いたのは誰だ。 それに俺の教科書に書かれた字、あれも奈美ではない。 奈美の他にもまだ真相を知るものがいるのか。
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