怨念

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真っ赤なペンキでそう塗りつけられていた。 文字の端々から垂れた液体が、壁面を下へとつたっていた。禍々しい書き方だった。 必死に立ち上がろうと、脚に力を込めたが体が動かなかった。全身が震えていた。 誰がこれを書いたんだ。 誰がこれを書けるんだ。 理解できなかった。 これを書いたやつは俺のイジメに気付いているだけじゃなく、ここで行われていたということも知っているのだろう。 それなら、なぜ黙っている。なぜ、なにも言ってこない。
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