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体はまだ硬直したままだった。
壁面に描かれた、気が遠くなりそうな現実が容赦なく俺の目の前に立ちはだかる。
ぼくは 智基を 許さない
一人称が「ぼく」ということから、これは奈美ではないだろう。
するともう一枚のメモか教科書の犯人がやったのか。
しかしこの文の意味は……。
正平と仲の良かった男友達は誰だったろうかと思い返した。
正平はお母さんが死んでから一切の交遊を断ち切っていたのだ。
該当者は思いつかなかった。
そこで、俺は初めて、見えない何かの可能性を考えた。
すぐにばかばかしいと気付いて胸に浮かび上がった疑問を打ち消した。
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