石矢魔球技大会

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「どうする?古市君。」 「どうしよっか……」 相変わらず辺りは戦争状態だ。審判も先生も誰もいない。 「とりあえずおめーらよ…」 神崎がヨーグルッチを吸いながら古市と男鹿と肩を組む。 「俺らのバレーボールに参加しやがれ。」 「はぁ!?」 古市と男鹿が同時に叫んだ。 「俺らのチームがほぼ全員怪我したんだわ。」 チョイと親指で背後の壁を指す。 そこには血まみれになった4人がいた。 「さっきの試合で、相手にいちゃもんつけられてな…姫川も強い奴買収してるんだが…」 また違う方を指差した。 札束を握った生徒が、何人か床にうつ伏せに倒れていた。 「流れ弾に当たって再起不能なんだわ。…で、お前らだ。」 姫川が古市の肩を組む。 「で?お前たちはいくらで入る?」 夏目が男鹿と肩を組む。 「僕たち、友達だよね?」 男鹿はしばらく考えていた。 ………観念したようだ。 「……いいけど…あと二人は?」 夏目が答える。 「あ、既に説得済みですよ。」 後ろを見ると、観念した表情の邦枝と、猫を三匹抱えた東城がいた。 「じゃ、僕は審判の代理しますんで宜しく。」 夏目は審判台に登る。 「もう…バレーボールなんて…本誌では始まったばっかりなのに!」 邦枝が嘆く。 「仕方なかろう。」 東城がコートに付く。 「やるしかないだろ!」 古市はガクガク震えている。 無理も無い。相手は聖石矢魔のバレー部だ。なんか体中傷だらけだし。 「勝敗ばっかりは金で買うと面白くないからな…」 姫川が靴ひもを締め直す。 「ダ、ダ、ダ!」 ベル坊も試合を楽しんでいるようだ。 「はい、両者中央にー」 両者が中央に寄る。 「はい、じゃあお互いに礼!!」 試合開始――
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