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遠くで誰かが呼んでいる。けど、背中の柔らかい感触が気持ちよくて起きたくない。
(一体なんだってんだ…)
少しずつ記憶が戻って来る。バレーの試合で何かが頭にぶつかった事はわかった。その後、男鹿が自分を抱きかかえて保健室(石矢魔で、唯一マトモな場所だ。体育大会ではさながら野戦キャンプになる。)に連れてきて貰って……
(あ、ここはベッドか。)
ようやく状況を把握した。
起き上がってみる。
(ん?)
頭に何かつっかえて動かない。
(なんだ?)
恐る恐る目を開けると、そこには……
「お?起きたか古市」
男鹿が自分の額と古市の額を合わせていた。
「うっ…!?」
突然の出来事に、思わず体が止まる。
そして、男鹿はゆっくりと顔を近づけて…
「………!!…!?」
キスをした。
男鹿はニヤニヤ笑いながら、
「おはよーのキス♪」
かあっ、と古市の顔が赤くなる。
「ばっ…バカやろう!!が…学校でキスなん…ムグっ」
男鹿が古市の口を塞ぐ。
「…一応、先生いるから!」
保健室の先生(ヨボヨボのばあちゃん)は、椅子に座って昼寝をしている。
あまり音を立てると起きてしまうだろう。
「………でも」
古市が男鹿の背中に手を回す。
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