No.2

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「………は?」 ここは紅蓮吸血鬼が住む紅蓮城。 見た目は古ぼけているが、中はなかなかの綺麗さで、従者のよさが出ている。 そんな紅蓮城は、今やっかいな人…否、神がいる。 「だから、血飲ませてやるから俺の部屋にこいって。」 「嘘だろうが。絶対嘘だ。」 「嘘じゃねーよ!嘘ついたら右腕切り落としてやるよ!ぎゃはは!」 「そんなのお前がよろこぶだけだろうが変態。」 やっかいな神様は、やっかいな事を言いだし、アルトを困らせていた。 血は飲みたいが、信じられないのだ。 「素直に今だせよ!」 「あ?お願いしますだろ?」 「今出してくださいゼジル様。」 「やだ。」 「死ね。」 死ね…と言っておきながら、女の姿のアルトにはそんな力は出せない状態である。 そして、コウモリの従者は、一度負けているので主人がなにをされようと、何もできないのである。 よって、今の紅蓮城の主は…ゼジルなのだ。 「…もういい、血は他からもらう…。」 「気が向いたら俺の部屋こいよ!ぎゃはは!」 ぐったりとしながら、アルトは浴室に向かった。 今やゆっくりできるのは、風呂とトイレと棺桶のなかくらいだ。 「…早くいなくなれ…。」
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