4人が本棚に入れています
本棚に追加
「………は?」
ここは紅蓮吸血鬼が住む紅蓮城。
見た目は古ぼけているが、中はなかなかの綺麗さで、従者のよさが出ている。
そんな紅蓮城は、今やっかいな人…否、神がいる。
「だから、血飲ませてやるから俺の部屋にこいって。」
「嘘だろうが。絶対嘘だ。」
「嘘じゃねーよ!嘘ついたら右腕切り落としてやるよ!ぎゃはは!」
「そんなのお前がよろこぶだけだろうが変態。」
やっかいな神様は、やっかいな事を言いだし、アルトを困らせていた。
血は飲みたいが、信じられないのだ。
「素直に今だせよ!」
「あ?お願いしますだろ?」
「今出してくださいゼジル様。」
「やだ。」
「死ね。」
死ね…と言っておきながら、女の姿のアルトにはそんな力は出せない状態である。
そして、コウモリの従者は、一度負けているので主人がなにをされようと、何もできないのである。
よって、今の紅蓮城の主は…ゼジルなのだ。
「…もういい、血は他からもらう…。」
「気が向いたら俺の部屋こいよ!ぎゃはは!」
ぐったりとしながら、アルトは浴室に向かった。
今やゆっくりできるのは、風呂とトイレと棺桶のなかくらいだ。
「…早くいなくなれ…。」
最初のコメントを投稿しよう!