4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「……っえ!?」
豪華な食事を並べたテーブルの上。
いや、豪華な食事を並べられていたテーブルの上に、彼は現れた。
「な、なにものだ!!!」
主人を守かのごとく、従者、クロームはアルトの前に出た。
テーブルに立っている男は、赤い髪に後ろを刈り上げ、全身傷だらけ、顔はピアスだらけ。
「何者ぉ?おいおい、誰にそんな口聞いてんだゴミ虫?」
口も、見た目以上に悪いらしい。
そういえば、先程からアルトが一言も声を出していない。
クロームが振り向くと、そこには今まで見たことがないほど、あたふたしている主人がいた。
「ア…アルト様?」
「ゼジル…なんでいるんだよ…こ、ここに!!」
ゼジルと呼ばれて男は、下品な笑いを響かせながらテーブルから飛び降りた。
「ぷっ…ぎゃははははは!!!!!!!!!!!!やっと会えたなアルトぉぉ!!!!!!!」
高笑いをするゼジル
怯えるアルト
そんな間にはさまれたクロームだけが、意味もわからず硬直していた。
「あ?おめぇはコウモリか?」
そしていきなり話し掛けられた。
「え、あ、あぁそうだ。」
「じゃぁてめぇも俺の下僕なんだな、ぎゃははははは」
「は?何を…」
「クローム…」
多少は落ち着いたらしいアルトがクロームをゼジルの前から遠ざけた。
「アルト様??」
「…あいつはな…あんななりして…¨血の神¨なんだよ」
「…血の神様????」
.
最初のコメントを投稿しよう!