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クロームも、神様に喧嘩を売るのだから覚悟はあるようで
本気で戦闘態勢になる。
目は白黒反転し、人間の肌が、みるみると黒ずんでいく。
ゼジルはそれをまたもや高笑いで見下した。
「ぎゃははははは!!本気かよこいつ!!!!!」
「当たり前だ…!!」
「クローム!やめろ!」
しかしアルトの声は二人にはもう届かない…。
そしてクロームは気が付くことになる…彼の厄介さを。
クロームが地面を蹴ったと判断するより早く、クロームの鋭利な爪がゼジルの肩を切り裂いた。
赤い鮮血が吹き出し、傷は浅くないものと、人目でわかるほどだ。
「…ね?僕は本気だ…。」
「………。」
彼の高笑いが消えた。
やっと本気になったか…そう、普通は思うだろうが…
アルトは心底面倒そうにゼジルから離れようとした。
「………」
「…どうした、こないのか?」
「…ぎぎ…ぎ」
「…?」
「ぎゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」
今までで一番大きな、狂ったような高笑い。
クロームは怒ったのだと、戦闘態勢を強めたが…ゼジルの言葉は意外すぎるものだった。
「いいねぇ…切り傷は気持ちのいい、清々しい痛さだぜ!!!!!!!!!!!この血の吹き出る感触!!!肉の裂けた音!!!!この痛みぃぃい!!!!!!ぎゃはははははははははは!!!!!!!!!」
「……え」
「…ゼジルはな…、攻撃をすればするほど喜び、興奮し、高まり…面倒になるやつなんだよ…。しかも、¨血の神¨だからな………いくら血だしても
死なないんだよ…。」
あぁ、
だから彼に…アルトは危害を加えなかったのか…
思った後は、もう遅かった。
¨血の神ゼジル¨は
同等に
¨痛みの神¨でもあり。
彼の喜びは痛み
彼の快楽は痛み
現代の言葉でやくすなら…
彼は、ドMなのだ。
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