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「大尉はなに読んでいるのですか?」
ルドルファ大尉の正面の席に座る、マリー・シュマイザー少尉。
彼女は視線をルドルファ大尉のもつ本へ移す。
「これ?」
彼女は表紙を前に掲げる。
「ドッペルゲンガー」
……
「ホラー好きなんですか?」
シュマイザー少尉は意外だと言わんばかりの表情だった。
「違うわよ、この子が持ってたのを暇潰しに借りただけよ」
「ですよね~」
「意外だと思った?」
「え!い、いやあの…」
少尉の反応に面白かったのか、くすくすと笑う大尉。
「別にいいわよ、それに結構面白いよ?」
読んでみる?と本を差し出す。
「遠慮しときます、それに大尉もまだ読みかけじゃないですか」
「あら、そうだったわ」
といい、閉じたページを再び開く。
「ははは…」
シュマイザー少尉は大尉が本に視線を移すのを確認する、その右隣では手紙を執筆中のバルクホルン少佐がいた。
(話しかけるのはやめとこ)
少佐の表情はとても柔らかくペンを踊らせるように紙の上を規則的に動かしている、宛先は妹さんで間違い無さそうだ。
確か前にも同じ事があって、その時にハルトマン大尉が「あの顔はクリスを考えてる顔だよ☆」といっていたきがした。
「ん、どうした?私の顔に何かついているのか?」
シュマイザー少尉の視線に気がついたのかバルクホルン少佐は 振り向く。
「いえ、なんでもありません。お邪魔でしたね…」
「そんなことはない、何かあるんだろう?」
シュマイザー少尉は手紙について触れようとしたときだった。
「マリー~一緒に遊ぼう!」
ハルトマン大尉がこちらをよんで手招きしている。
「呼んでるぞ。」
「そのようですね」
あははと笑いシュマイザーはハルトマン大尉の席に移動する。
みるとどうらやハルトマン大尉は先日転属したシャーリーさんとルッキーニちゃん、カガニちゃんでカードゲームをしていた。
「マリー大富豪知ってっか?」
豊満な胸が第一印象のシャーリーさんが私に聞いてくる。
「はい、一応…」
「うし!じゃ配るぞ!!」
有無を言わさず基地に着くまでやらされたのは言うまでもない。
余談だが、私は全敗してしまいました…
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