エピソード1 カールスラントの魔女

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蒼空と呼ぶには暗く曇天と言えば明るい、じめじめとした嫌な天候の中を5機のJu88爆撃機、その編隊の外角と爆撃機よりも低空で囲む6人のウィッチ。 彼女らの表情は皆明るく、連日の激戦で疲弊した顔などなく、歳相応の笑顔をちらつかせながら編隊を維持しつつ雑談に覇者がかかる。 その中に501で活躍した2人のウィッチの姿があった。 「でね~ブリタニアにいた頃のトゥルーデは今以上に頑固者でさぁ~今もだけど大分マシになったんだよぉ」 話の中心となっているのはカールスラントが誇るウルトラ エースことエーリカ・ハルトマン大尉、彼女の話をおもしろおかしく聞いているウィッチ達を横目にしながら噂をされている当の本人がエーリカに食い掛かる。 「おい!ハルトマン!!今はまだ作戦中だぞ!」 「ホラ~こーいうトコが固いんだってば~」 ハルトマンが両手を頭に当てくるくると旋回する。 「なんだってお前はいつもいつもそうなんだ!!」 トゥルーデこと…ゲルトルート・バルクホルン少佐が声が荒ぶる、 (うわっ…トゥルーデのいつもの病気が始まる) とエーリカ。 まぁその病気を発動している根源が自分自身である事に自覚がない、それがエーリカ・ハルトマン。 やがて基地が見えてきてウィッチ達と爆撃機は降下体制に入る。 ハンガーに着いた頃には空も夕焼けに染まり、1日の終わりを告げようとしていた。
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