噛み合わない歯車

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「君たち!!」 ミスターがまるで中年のオッサンのようにお腹を前に出しながら、凄い形相で走ってきた。 「み、ミスター……ふっ。」 皐月はミスターのあまりの変な走り方に笑ってしまっていた。 「ハァハァ……。 情報を……ゲホッ。」 「アハハッ」『ハハハッ』 「ゴホンッ……。 取り乱したようですまない……ハァ。 無事情報を手に入れたので報告に……うッ。」 「とりあえず、落ち着こう。」 「すまない……。 もう、大丈夫やさかい。」 ミスターが落ち着き出している時、まぁ君はまだ声もなく笑っていた。 「さっき、凄い情報を手に入れた。」 ミスターは一瞬で表情をかえた。 「やはり、福島君は殺されていたのさ。 警察から得た情報だ、間違いない。 福島君は刃渡り30cmの包丁で刺されていたらしい。」 「殺されたっていうのは事実ってことになるのか……。 でも、一体誰が……。 !?」 皐月は何か気付いたらしく顔が曇っていった。 『蔵本君か角君……。 ってことかな。』 さっきまで笑っていた まぁ君がいつもと違って真剣な顔で皐月とミスターを交互に見た。 「蔵本君かもしれない……。 まだ何も聞いてないのは蔵本君だけだからさ。」 『だな……。 とりあえず、話だけでも聞きたいものだけどね。』 皐月とミスターはまぁ君が普通の人と話せないことを思い出した。 「とりあえず、行こうではないか。」 ミスターはまたあの走り方で走って行った。
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