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三人は蔵本君を探した。
まぁ君は泣いていた。
友人を疑うことなどなかったのだろう、まぁ君は実体のない身体から出る実体のない光の雫を一つ、また一つと頬を伝わせながら宙を浮いていた。
「蔵本君……。」
「やはり、来たのですね。」
「犯人は君なのかい、クラモ。」
「君達は勘違いをしている。
私が犯人だと思っているのかい。」
「そ、そんなこ……。」
「そうだ。」
皐月が否定をしようとした時にミスターはきっぱり言った。
いつものふざけているミスターからは、想像のできない真剣な顔だった。
「……。
情報を聞いてなかったのが私だけだったからですか。」
図星すぎる蔵本君の発言にミスターの顔が少し曇り、皐月の方は目を見開いた。
「あぁ……。
そのとおりだ。
そして、君が犯人だった場合全ての辻褄があう。」
「では、この場合はどうかな。
私が君達に情報を渡していたとしよう……その場合は、角君を疑っていたかもしれないと考えられなくもないんじゃないんですか。」
「蔵本君の言うとおりや。」『蔵本君の言うとおりや。』
皐月とまぁ君は声を合わせて言った。
まぁ君の声は蔵本君に聞こえることはなかったが、ミスターの興奮を抑えることは出来た。
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