さよなら、愛した人

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三人は、ずっと携帯電話を探していた。 辺りはもう真っ暗で月と星が綺麗に輝いていた。 今日は、満月だ。 皐月は、山の頂上付近まで来ていた。 そして、山の頂上へと皐月がたどり着いた時、誰かが背中を向けて立っていた。 「ようこそ。 澤井皐月さん。 僕は君が来るのを一時間も前から待っていましたよ。」 皐月に背中を向けて立っていた誰かが皐月の方に振り向いて、そんなことを言った。 「あ、あなたは……!? あなたが持ってる、それってまぁ君の携帯?」 「フフッ……。 せ・い・か・い さて、問題だ。 なぜ、僕は一時間も君を待っていたと思う?」 「……私を殺す。」 「ハハッ。 君は直感が良いようだね。 セイカイダヨ」 その瞬間に誰かが鞄の中からキラッと輝くものを取り出した。 「君は福島君と同じ死にかたができるんだ。 僕に感謝するんだよ。」 不気味に微笑む誰かはゆっくりと一歩だけ皐月に近づいた。 「……なぜ、まぁ君を殺した? そして、私を殺そうとする?」 「簡単だよ。 キミタチガシアワセソウダッタカラ。 もう、サヨナラシヨ。 サヨナラ、アイシタヒト。」 「お願い!! やめてよ、角君!!!!」
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