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――ガラッ……。
「おはよう……。」
皐月は暗いオーラに包まれている教室に入った。
「おはよう……。
皐月……。」
この教室の人々が暗いのには、理由があった。
今日は、冬休みを明けて最初の日だったのだが、クラスメートの一人が休み中に死んでいるのを確認された。
彼は"福島雅幸"というクラスでは明るい存在だった。
「福島君は見つけられた時、血だらけだったんだって……。」
泣きながら、皐月に向かって少女は言った。
「そうなんだ……。」
皐月は、ただそう言うしかなかった。
『えッ!!
こっち血だらけやったん?』
「ちょっ……。
学校では、黙っててって言ってたやん。」
「皐月なんか言った?」
どうやら、まぁ君の声は皐月にしか聞こえないらしい。
「いや、何も……。
ただ、こんなことが起こるなんてって思っただけ。」
「そうだよね……。」
その日は、それ以降まぁ君は学校では、何も言わず少しつまらなさそうな顔をしていた。
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