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『ミスター……。』
まぁ君はそう言いながら、もう温かさを感じない涙を流していた。
「まぁ君……。」
『皆いい人や……。
こっちのために色んな情報をくれるだけじゃなく集めてくれるんだなんて。』
「言いにくいけど、まぁ君を殺したのも、もしかしたらいい人の誰かかもしれないんだよ。」
『分かってるさ。
でも、今まで情報をくれた人が犯人なわけないやん。』
「たしかにね。」
皐月は、触ることのできない まぁ君の肩に手を置いた。
もちろん、皐月の手はその肩をすり抜け、皐月は一粒大きな雫を目から溢した。
それを見た まぁ君は後ろに景色が見える自分の手をただ呆然と見ていた……。
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