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少し時間が戻ります。
「あの二人…あんなに仲良さそうに…」
男鹿と古市の跡を付ける女が一人いた……
薄い青の着物を着た邦枝は、男鹿と古市の後についていった。
実は昨日、勇気を出して誘ったにも関わらず「わりい、用事あるから」で断られていたのだ。
(…で、どうするかと思ってついてきたら……)
仲良く男鹿は古市と二人で祭りに行っていたのだ。
(どういうことなの!?まさか二人共……)
そのうちに、二人は金魚すくいの屋台に入った。
「……さすがにあそこまでついてったらバレるわね。」
邦枝は近くの綿アメ屋に入った。
(ま、自分も楽しまなきゃね……)
綿アメを作っている店員に声をかけた。
「すいません、綿アメ一つ…あら?」
「おや、邦枝さん。」
夏目だった。
GパンにナイキのTシャツという、一般的な若者の格好。
「あなた…神崎の…」
思わず身構える邦枝。
「ハハハ…神聖なお祭りなんですから、落ち着いて…」
夏目は綿アメを差し出す。邦枝は慌ててそれを受け取る。
「あ…ありがとう」
「友好の証として……あげます」
「いいの?」
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