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「う……うぅ……」
神崎がプスプスと煙を上げ、仰向けに倒れていた。
「なんだなんだ?一体何事だ?」
「ひ…姫川!?」
邦枝の後から、アロハに短パン(いつもと変わらない)姿の姫川が来た。
「なぜ!?」
「あ?ここがウチの土地で、祭りのスポンサーがウチの会社だからに決まってんじゃねえか。………それより…」
姫川は神崎を起こした。
「おい、何があった?」
「ひ…姫川…か?」
気付いたようだ。
「……ったく…アイツなんかにやらせるんじゃ…あれ!?金が無い!?」
神崎は自分のポケットをまさぐる。
「畜生…畜生…!!あの野郎!!今度会ったら本当に殺す!!」
(何があったかわからないけど…とりあえず可哀想…)
「お前も大変だねぇ…。あーあー、これどうすんの?もう商売出来ねーじゃん。」
メインキャラクターの金魚が全滅している。こんな金魚をすくっても、色んな意味で救われない。
「…クソっ…オヤジに怒鳴られるな…」
「まあ…元気だして。」
「ああ!?テメエに何がわかる!?」
「二人とも落ち着けよ。………神崎」
急に姫川が、ポケットから小切手を取り出した。
「いくらだ?」
「はあ?」
「この金魚、いくらだって聞いてんだ。」
姫川はサラサラと小切手に金額を書く。
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