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「飲みたい気持ちは良く分かったが、今ねぇ、ロクデもない事件があるんだよ」
店主が意味深い事を言う。
「なんの?」
酔っている分、気性が荒い。
「最近、女性がかなり酔っている時に若い少年から声を掛けてきて‘親に追い出されて行き場が無いから一泊だけ泊めて欲しい’って言われて、つい可愛いから連れて帰んだよと」
「それとこれと何が事件?」
「次の日、少年と一緒に素っ裸で寝てたんだよ」
「酔ってやっちゃったんじゃないの~!」
かなり疑う。
無理もない、誰がどう聞いても酔った勢いでやったのではと思うのが普通だ。
店主が更に話を続ける。
「少年が目を覚まして‘楽しかったよ’つって、家を出て行くんだが、後日電話があって出ると知らない男性から‘貴様のせいで子供が精神的に傷ついてしまった!’それで記憶が有りつつも、知らないと言って電話を切ったが次の日……」
「や、止めてよ……怖くなるじゃない」
「ポストに、何十枚と言う裸の自分と少年の写真が、出てきたんだよ」
「ま、マジで!」
「おぅ、ホントだよ!
実際、弁護士やら裁判沙汰に会社に押し掛けるとかかなり脅されて、数十万から数百万取られたって話だ!」
話終えてすぐに、
「焼酎! ロックで!」
酒注文。
「人の話聞いてたか?」
店主は完全に呆れ返ってしまった。
店主の忠告を無視して、女性は別の酒屋へと飲み歩いた。
そして次の日───。
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