定無燈炎

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「いつもなら…もう来るはずなんだけど……」 私は何気なしに時計を見て暫く神社の入り口から下へ続く階段の先を見ています。 「今日は少し遅いなぁ…」 と同時に少し面白くなり笑みが零れる。 「今度こそ爺様から逃げれた……ようでもないみたいね。」 階段の下からこの時期では不釣り合いなぐらい着込んだ格好をした人が登ってくる。 手には鉄アレイも持っている。 そして階段を半分ぐらい、少し近付いてきた時に私は気付いた。 「なんかあれ…大きくなってない?」 彼が近くまで来るぐらいに私は声をあげた。 「さっさと登ってこ~い! 早く来ないとドリンク持って帰っちゃうぞ~!?」 すると彼はあらん限りの最後の力を振り絞るように登ってくる。 「ちょっ…ゼェ..ハァ...まっ……ハァ..ゼェ...おねがぃ……ゼェゼェ……」 これもいつもの風景… いつもの日常… 勿論、私は彼が来るまで待ち続ける。 そしてやっと登ってきた彼にドリンクを渡した。 「お疲れ様…いつも大変だね……別に私は頼みもしてないのにさ……」 今、私の隣で息をきらせながら休憩している彼は守尋 申也(もりひろ しんや) 私の一応は幼馴染みになるのかな… 「ほん…と…なんだって…ハァ…こんな事しないといけないのか…こっちが聞きてぇよ……」
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