定無燈炎

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私の永嗣家と彼の守尋家は昔からの付き合いがあるみたいでお母さん曰わく、先祖は主従関係であり彼の家系は私の家系の守部(もりべ)だったらしいです。 「今時なぁ…なんでこんな格式ばった事しないといけないのか…やってらんねぇ……」 彼はいつもこの事を私に愚痴る。 確かに私も同感なのだけれども、そんな事を私に言われても困る… 「まぁ…それはそうだけど……」 少しだけ腹が立つけどここは私が一歩引くほうがいいと思って無難に受け流す。 「守るも何も今時、そうそう敵がいるってわけでもねぇのに…というか実際守るにしても家自体が離れてるのにさぁ……」 (守る気はあるんだ…) 彼は隣で座り込んだまま更に愚痴っている。 「…………」 そしてどれくらい時間が過ぎただろう… 既に私は彼の話を聞いてるふりをしながら前に広がる景色を何気なしに眺めている。 そしてそこから見える一軒のパン屋の主人が出てきたのを確認する。 「でよぉ…あの爺は滅茶苦茶でさ…昨日なんか…」 パン屋が開店した頃合いを見て私は彼に教える。 「それはそうと、もう帰らないといけないんじゃない? 学校に遅刻するよ?」 と同時に彼は時計を見る。 まるで猫がびっくりして飛び上がるように慌てて立ち上がりそのまま階段を降りながら… 「もっと早く教えろ~!!」と捨て台詞を吐いている。 「待っててあげるから早くいきなさいよ馬鹿~!!」 「うるせぇ~~~!!」 ほんとに捨て台詞…… あれがなければ結構イケてるのにね…… 「ふぅ…私もシャワー浴びて用意しようかな……」 今は6月になり随分暑くなってきている。 朝とはいえ体を動かせば汗が出るぐらいだ。 私はそそくさと掃除道具を片付けて家に戻っていった。 そして…その後また…少しだけ強い揺れを感じたのだった。
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