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「しかし珍しい武器だな。何なんだそのちっさい武器は?」
「〝銃〟って言うんだ。この街で最近造られたばっかりのこの街独自の武器で、まだまだ粗の多い武器なんだ」
「へぇ……流石大陸一の都市だな。こんな凄いのが流通してるなんて」
よほど興味を持ったのか、まじまじと俺の腰にある銃を見ている。
「いや、俺が使ってるのは最新型の試作品でさ。テストも兼ねて使ってるだけで、まだこんな性能のは流通してないよ」
いかん、このままだとこの銃をくれとか言われるような気がする。なんでこんな女の子が武器なんかに興味を持つんだ?
「へぇ?でも何で只のカメラマンがそんな物持ってるんだ?」
「知り合いに銃の発案者がいてね、無理を言って借りてるんだ」
「そうなのか。なぁ俺をそいつのとこまで――」
「ちょっと待った」
想像してた通りの流れに行きそうなので話をかえる。
絶対連れてけないよアイツの所には。
「なんだよ?」
話を遮られて気にさわったのか、鋭い目付きで睨んできた。
「今度はこっちに質問させてくれ。君は何で不良に絡まれていたんだ?」
「…………俺が可愛すぎるからじゃないか?」
冗談っぽくごまかすようにサヤさんは言う。
「その間は何なんだ。嘘をついては欲しくない。ていうか、可愛い子がそういう事を言うのはタチが悪いよ」
「……お前も俺をナンパしてるのか?女子に可愛いだなんて……」
そういうサヤさんはちょっと顔を赤くして目を逸らした。
言ってる事に気がついて俺は慌てて弁解する。
「いや、そういう意味じゃなくて!いや別にサヤさんが可愛くないってことじゃないよ!何が言いたいかっていうとつまり……」
しどろもどろになってしまった。もしかして緊張してるのか俺は!?
「ぷっ……ははは!お前、顔に似合わず天然なんだな!わかった、言うよ」
初めて大きく笑った彼女は、やはり年相応の少女だと思う。
「俺はちょっと雨宮国からまぁ……家出してきたんだ。でもこの街にやって来たばっかりで、お金も無くてさ。腹空かしてたら時にちょっとご飯でも食べないってアイツ等に誘われたから、ついてったらさ、まぁアイツ等のエロい事エロい事」
「……警戒心無さすぎるでしょサヤさん……」
心底俺は呆れた。
「そんなものだから、ちょっとぶっ飛ばそうとしたらアンタが来たってわけ」
「なるほどね」
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